SESで年収と市場価値を上げる「案件の選び方」7チェックリスト(30代向け)

導入として、まず現実をひとつだけ言います。SESのキャリアは「頑張った量」より「どの案件で何を積んだか」で決まります。これは冷たい話ではなく、再現性のある攻略ルールです。
30代のいま、年収と市場価値を上げたいなら、案件選びを“気分”でやるのは今日で終わりにしましょう。この記事では、次の案件を選ぶときに見るべきポイントを7つに絞って、チェックリストとして使える形にしました。
キーワードは「開発」「AI」「テクノロジー」。この3つにちゃんと乗れる案件を選べば、転職でも単価交渉でも強くなります。


1. 単価を見る前に「手取りの伸びしろ」を見てください

単価は大事ですが、単価だけで案件を選ぶと、危ない橋を渡ることになります。見るべきは「この案件をやり切った後、次の案件で単価が上がるか」です。

たとえば、単価が高くても以下のような案件は伸びにくいです。

  • 作業が固定で、判断がほぼない(指示通りに作るだけ)

  • 同じ改修を永遠に繰り返す

  • 使っているテクノロジーが古く、次に評価されにくい

逆に、単価がそこそこであっても伸びやすい案件はこうです。

  • 開発の上流(要件整理や設計)に触れられる

  • レビューがあり、品質を学べる

  • 新しい技術要素(クラウド、API、AIなど)に触れられる

単価は「いまの報酬」、伸びしろは「未来の報酬」です。30代の勝ち筋は後者に寄せることです。


2. 工程は「設計に触れられるか」で判断してください

キャリアが伸びる人は、開発の“理由”を説明できる人です。
伸びない人は、開発の“手順”しか話せない人です。

案件選びで見るべきは、担当工程に「設計」が含まれるかどうかです。設計といっても、難しい言葉はいりません。要するに「どう作るかを決める仕事」に触れられるか、です。

チェックポイントはこの3つです。

  • 設計書(画面やAPIの仕様)を作る/直す機会がある

  • 仕様の確認や、要件のすり合わせに同席できる

  • 影響範囲の調査を自分でやれる(調べて説明する)

ここに触れられる案件は、市場価値が伸びやすいです。逆に、実装だけで完結する案件が続くと、年収アップの材料が薄くなります。


3. 技術スタックは「次の転職で説明できるか」を基準にします

技術スタック(使う技術の組み合わせ)は、実は“履歴書の中身”そのものです。
だから、案件の技術は「自分の武器になるか」で選びます。

おすすめの考え方はシンプルです。

  • 今の自分の強みを伸ばす(例:バックエンドを深掘り)

  • かつ、需要がある方向に寄せる(例:クラウド、API、データ活用)

  • できれば「AIと相性が良い」領域に寄せる(例:自動化、分析、検索、チャット)

ここで言うAIは、いきなり難しいAI開発をする話ではありません。
ChatGPTなどを使って、設計やテストの効率を上げられる環境かどうか、という意味でもあります。

たとえば以下は強いです。

  • API開発(他システムとつなぐ仕事)

  • クラウド環境(仕組みを理解すると武器になる)

  • 自動化(テストや運用を効率化する考え方)

逆に、説明しにくい案件は避けたいです。

  • 「社内ツールをちょっと触るだけ」で終わる

  • 技術が特殊すぎて他社で通じにくい

  • 開発の全体像が見えない

「この案件、面接で3分で魅力的に説明できますか?」これが判断基準です。


4. 開発体制は「レビューがあるか」でほぼ決まります

成長する環境の共通点は、レビュー(第三者チェック)があることです。
レビューがあると、ミスが減るだけではなく、設計やコードの“良い型”が身に付きます。

確認すべき点は次の通りです。

  • コードレビューがある(誰かが見て改善点をくれる)

  • 設計レビューがある(作る前に方針を確認する)

  • テストの観点が共有されている(品質の基準がある)

レビューがない現場は、成長が“自己流”になります。自己流は最初は速いのですが、どこかで頭打ちになります。
年収と市場価値を上げたいなら、レビューがある現場を優先してください。


5. 評価は「何をやったら上がるか」が見えるかで決めます

SESで揉めやすいのが評価です。
評価が不透明だと、頑張っても報われにくくなります。

案件選びの段階で、評価の見える化を確認しましょう。

  • 「この案件で期待される役割」は何ですか?

  • 「良い評価」は何で決まりますか?(品質、スピード、提案など)

  • 半年後に「できるようになってほしいこと」は何ですか?

これを聞いて、答えが曖昧なら要注意です。
逆に、期待と評価が明確なら、あなたは成果を積み上げやすくなります。

ポイントは「努力」ではなく「成果で評価される構造」かどうかです。


6. 上流比率は「会話の席に座れるか」で判断してください

上流と聞くと、難しい印象があるかもしれませんが、実態は「会話の席に座れるかどうか」です。

  • お客様や業務担当者の話を聞ける

  • 課題を整理して、選択肢を出せる

  • 設計の前に、目的を確認できる

これができるようになると、あなたは“作れる人”から“任せられる人”に変わります。
任せられる人は、単価も年収も上がります。これはかなり露骨に上がります。

そして、上流はAIとも相性が良いです。
ChatGPTを使って、要件の抜け漏れチェック、会議メモの整理、仕様の言語化などができると、仕事が速くなるからです。AIを使える人が強いのではなく、「上流の整理をできる人」がAIで加速できる、という順番です。


7. 次案件への繋がりは「ポートフォリオが増えるか」で決まります

最後がいちばん重要です。
その案件は「次の案件を取りやすくする実績」になりますか?

確認したいのは以下です。

  • 成果として残せるものがあるか(設計書、API仕様、改善提案など)

  • 自分が担当した範囲が説明できるか(チームの一部で終わらないか)

  • 技術・工程・実績がセットで語れるか(“何をどう改善したか”)

たとえば、同じ開発でもこう言えると強いです。

  • 「機能を作りました」では弱い

  • 「性能問題を分析して改善しました」だと強い

  • 「運用を自動化して作業を減らしました」だとさらに強い

  • 「AIで作業を効率化し、品質を上げました」まで言えると勝ちです

テクノロジーを語るのではなく、「成果」を語れる案件を選ぶことが、最短で市場価値を上げます。


7チェックリスト(コピペ用)

案件を検討するとき、これをそのまま使ってください。

  1. この案件をやり切った後、単価が上がる理由がある

  2. 設計に触れられる(作る前の判断ができる)

  3. 使う技術が次の転職で説明できる(開発の武器になる)

  4. レビューがある(品質の基準が学べる)

  5. 評価基準が明確(何をやれば評価が上がるか見える)

  6. 上流の会話に参加できる(目的と課題が理解できる)

  7. 次案件に繋がる実績が残る(成果を語れる)

7つ中、最低でも5つは満たしたいです。
4つ以下なら、よほどの理由がない限り避けた方が安全です。


ここまで読んで「今の案件、ほぼ当てはまらないかも…」と思ったなら、むしろチャンスです。気づけた時点で勝ちです。
案件選びを“運”から“戦略”に変えれば、30代後半での伸びがまるで変わります。今からでも十分、間に合います。